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出演者のことば※プログラム⑨〜⑭

  • 執筆者の写真: 会 ひまわり
    会 ひまわり
  • 10月20日
  • 読了時間: 6分

出演者のことば※プログラム⑨〜⑭


久石譲/人生のメリーゴーランド


フルート 岡田奈々 

クラリネット 森本葵

ピアノ 森田真紀


この曲は映画「ハウルの動く城」のメインテーマ曲です。人生の浮き沈みや時間の流れ、そして少女ソフィーの成長と変化を、具体的には、メリーゴーランドが上下に動いたり回転したりするように、人生には良い時も悪い時もあり、時間の流れとともに人は変わり、巡り巡って同じ場所へ戻ってくることもある、という人生の様相を象徴しています。

私たちはこの曲に込められた「めぐりゆく人生の美しさ」を表現したいと思いました。穏やかで切ないメロディーの中には喜びや悲しみ、出会いと別れといった様々な感情が流れています。

この演奏会で私たちは3年間部活で培った演奏技術を披露できたらいいなと思います。私たちがここまで成長できたのは先輩方や顧問の先生のおかげです。演奏を通して、聴いてくださる方に心が温かくなる時間をお届けできたら嬉しいです。





サン=サーンス/動物の謝肉祭より「白鳥」「フィナーレ」


井田伸恵

森田真紀


サン=サーンス(1835-1921)が51歳の時にオーストリアのクルディムという都市での謝肉祭で、友人のチェリストが主催したプライベートな音楽会のために作曲されました。多くの人に親しまれているこの「動物の謝肉祭」は様々な動物の名前の付けられた14曲の小品からなる組曲です。

今回はその中から「白鳥」と「フィナーレ」をお届けします。


「白鳥」は全14曲中最も有名な曲で、チェロ独奏曲としても有名です。静かな水面を優雅に泳いだり、羽を広げたりする姿が浮かぶようです。

変わって「フィナーレ」は軽快な主題に乗せて、各曲の旋律が登場します。それまで出てきた動物たちの物語を巡るような楽しさがあります。

それぞれ雰囲気の違う作品を楽しく、美しく演奏できればと思います。




千原英喜/はっか草

アンドルー・ロイド・ウェバー/ミュージカル「キャッツ」より「メモリー」


ソプラノ 九鬼桂子

ピアノ 荻野育子


『はっか草』

幼い頃、亡き母が私に「はっか草のような人になりなさい」と言った。

はっか草のような人とは、何があっても凛としていて動じず、それでいて、爽やかで人に優しさを贈れる人。


私はこの歌を歌う度に、亡き母の笑顔を思い出します。


『メモリー』

劇団四季のキャッツは

ロングラン1万回を越しました。

年老いた高級娼婦猫のグリザベラは、昔は美しかったが、今は年老いて誰も見向きもしない。声もかけない。

生まれ変わり、新しい命、新しい身体になる事を願い、この歌を歌います。





奥野英子


バッハ(ケンプ編曲) /シチリアーノ


この「シチリアーノ」は、J.S.バッハが作曲した《フルート・ソナタ 変ホ長調 BWV 1031》の第2楽章にあたります。

1730年頃にフルートとチェンバロのために書かれたこの楽曲を、ドイツの名ピアニスト、ヴィルヘルム・ケンプがピアノ独奏用に編曲しました。

「シチリアーノ」という名称は、バッハ自身が付けたわけではありません。「シチリアーノ」とは、6/8拍子または12/8拍子の揺れるようなリズム、ゆったりとしたテンポ、哀愁を帯びた旋律が特徴のイタリア舞曲の一種です。

この楽章はそのシチリアーノの様式に則って作られているため、後世の研究者や演奏家たちがその特徴から「シチリアーノ」と呼ぶようになりました。

6/8拍子の穏やかな揺れの中に、哀しみをたたえた旋律が静かに流れ、バロック音楽の枠を超えて深い情感が広がっていきます。ケンプの編曲は、原曲の精神を損なうことなく、ピアノならではの響きと詩情を丁寧に引き出しており、技巧よりも音色や呼吸、そして歌うような演奏が求められる作品です。


ショパン/ノクターン 第13番 ハ短調 作品48-1(1841年)


ショパンが31歳のときに作曲したこのノクターンは、夜想曲という枠を超え、深い感情のドラマを描いた作品です。

冒頭では、重い足取りのような左手の伴奏の上に、ため息のような旋律が重なり、静かな悲しみをたたえた音楽が始まります。恋人ジョルジュ・サンドとの関係は表面上うまくいっていたとされていますが、繊細なショパンは、その内側にある綻びをすでに感じ取っていたのかもしれません。

中間部では、ハ長調の祈りのようなコラールが現れ、やがて音楽は感情の高まりとともに激しさを増し、抑えきれない思いが溢れ出すように展開していきます。技巧的にも非常に高度で、オクターヴの連打も多くあり、ショパン作品の中でも特に劇的で力強い表現を備えています。

終盤では、激しい感情の起伏を経たあと、ショパンが落ち着きを取り戻し、天に問いかけるような静かなメロディーが現れます。けれどもその問いには答えが返ってこず、絶望と深い悲しみをたたえながら、音楽は静かに幕を閉じます。

劇的な構成と感情の深さ、そして高度な演奏技術を併せ持つこの作品は、ショパンのノクターンの中でもとりわけ印象深い存在として、今も多くの人々の心を打ち続けています。


 



ショパン/ポロネーズOp.53「英雄」


森田真紀


「英雄ポロネーズ」はショパンが作曲したポロネーズの中でも最も有名で力強い作品と言われています。

1842年、ショパン32歳の時に作曲されましたが、それはショパンが亡くなる7年前でした。

体調は悪く、肺結核も患う中、故郷を思い独立を願いながら作曲したといわれています。

当時、故郷であるポーランドはロシア帝国の支配下にあり、その状況を憂い続け、民族舞踊でもあるポロネーズに載せ祖国への情熱を作曲しました。

ショパン自身も、この曲に非常に愛着を抱き周囲の人たちに

「この曲は私の生涯で最も力強いものだ。亅と語っています。


ショパンの故郷、ポーランド独立と民族精神への情熱が、現代を生きる皆さまに少しでもお伝えできればと、心を込め演奏させて頂きます。






チャイコフスキー/くるみ割り人形より「花のワルツ」


山脇育子

能勢真理


今回、二年ぶりに同級生コンビで連弾をさせていただきます。

優美なメロディで親しみやすい「花のワルツ」はチャイコフスキーが亡くなる前年に作曲したバレエ音楽「くるみ割り人形」の中の終曲で、バレエでは多数の花の精霊が登場し、舞台全体に花びらのように優雅に舞う様子を表現しています。

音楽も終曲にふさわしい盛大なクライマックスを形成します。

クリスマスの夜にくるみ割り人形をプレゼントされた少女クララが人形とともに夢の世界を旅するという物語。子どもの頃のクリスマスのワクワク感を思い出しつつ、花々に囲まれているような気分で楽しく華やかに演奏できたら…と思っています。

※ちなみに、神戸にあるピロシキのお店では生地を発酵している間、ずっとこの曲を流しているそうです。まろやかになって美味しさが増すとか。


 
 
 

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